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2018-19シーズン-プレミアリーグ第14節 アーセナルvsトッテナム

2018/12/2(日)に行われたアーセナルvsトッテナムアーセナルホームで行われたノースロンドンダービーは白熱したシーソーゲームを展開した。 試合の流れと戦略が目まぐるしく入れ替わり90分間があっという間の試合だった。 それでは、早速レビューをしていきたいと思う。

試合レビュー

序盤

キックオフからお互い縦に速いプレーを選択。 両チーム共狙いは似たようなもので、ディフェンスラインを高く設定し、 相手のビルドアップを許すことなくプレッシングを行う。 ボールを奪取したら即座に裏に抜けるオーバメヤンやケインを使いフィニッシュを目指す。 流行りに乗って言うとストーミング的な概念下でのプレー選択を行なっていたように見えた。

前半5-25分あたり

両チーム足にボールがついてきたところで、序盤の混沌とした展開が収束する。 守備のスタイルは両チームそのまま、敵陣でのボール奪取からのショートカウンター狙い。 ただし、ディフェンスライン付近でボールを奪った際のプレー選択がビルドアップに移行。 ここでフォーメーションに触れておく。

多分だいたいこんな感じだったかと思う。

ビルドアップに関しては両チーム明確に意図が分かれる。 アーセナルはCB3枚が横並びでパスを交換、DMFの2枚は中央から大きくは動かずコースの確保。 WBは両サイド大きく幅をとり、 OMFの二人はサイドバックを引きつけながら中よりのポジショニング。

トッテナムのプレッシングの意図としては中央に通させないようにしながら ボール保持者や次のパス先に強いプレッシャーを与えると言うもの。 しかし、中央のコースを消すことが徹底されていた反面、WBがどうしても空く場面が多発。

これもエメリの策なのだろう。 OMFの裏抜けを警戒するオーリエとデイビス、 縦パスのコースを切りながら中央のリスクケアをするエリクセン、シソコ、ダイアー、 必然的にどちらかのサイドのWBが浮く事になる。

アーセナルはその隙を利用し、 一度WBを経由して角度のついた楔のパスや裏へのパスを使うことで 効率的に相手プレスの回避および敵陣攻略を行なっていた。 特に、コラシナツとイウォビのユニットに対してオーリエが一人で対応するシーンが多く、 入れ替わることはないまでも最終ラインまで押し込まれる形になっていた。

対するトッテナムはビルドアップを後ろの4枚とDMF2枚、エリクセンで担当。 7枚+キーパーのユニットで第一プレッシャーラインを超えたのちに クリーンな縦パスを強力なFW陣に入れることが目的だったと推測する。 推測の域を出ないのは、トッテナムのビルドアップが ことごとくアーセナルのプレッシャーの網に引っかかったからである。

まとめると、アーセナルのペースである。

前半10分にコーナーキックからPKを獲得してアーセナルが先制点をもぎ取る。

前半25-45分

アーセナルがゲームを支配していたファーストハーフの前半に対し、 トッテナムがプレーに修正を加えた。 端的に言うとビルドアップの早い段階からのロングフィードだ。 アーセナルプレッシングの網にかかる前のフリーな状態、 あるいはキーパーからケインをターゲットにボールを放り込む。 アーセナルのディフェンスラインはプレッシングのためにかなり高く設定されており、 加えて数的同数でディフェンスラインを形成することになることもん少なくなかった。 このプレー選択の修正は功をなす。 トッテナムが相手陣地まで攻め上がれる回数が格段に増えた。

相手陣内に入ると違いを見せるのが、ケイン、ソン・フンミン、アリ、エリクセンのユニットである。 彼らの速いパス交換を前に、アーセナルDFは後手を踏まざるを得ない。 全員突破力やラストパスのセンスが光るため、強くあたりに行く必要があるが、 ダイレクトパスの交換中の相手全員に激しいタックルをお見舞いすることは不可能である。 結果的に前を向いたソン・フンミンにボールが渡りDFラインをドリブルで突破、 PKを獲得し、1-1に追いつく。

直後、同様のゲーム展開からサイドの深い位置でのFKを得たトッテナムが ニアで待ち構えつつ、ラインの駆け引きを制したダイアーに合わせ2-1と逆転。

アーセナルのビルドアップに関してはボールサイドのWBにSBが強く行くことを決めることで、 WBがフリーになることを阻害し、 これまでのようにアーセナルはクリーンに前にボールを運べなくなった。

ざっくり言うと、トッテナムのペースである。

後半

後半に入り、アーセナルはイウォビ、ムヒタリアンに代えラカゼット、ラムジーを投入。 アーセナルの守備、トッテナムの攻守の戦略は概ねそのままで、依然トッテナムペースが続く。

変わったのはアーセナルの攻撃である。 サイド経由でのビルドアップを行なっていたが、 後半からはサイドをちらつかせた中央狙いのビルドアップが姿を見せる。

WBが前半よりはやや低い位置にポジションを取り、相手SBではなく相手のMFのマークを引きつける。 最終ラインとの距離が近くなった結果、効率的にパスを交換することが可能になり、 単純な縦パスのコースが生まれる回数が増えた。 さらにその構造に旨味を加えるのはラカゼットとオーバメヤンラムジーのDFラインとの駆け引きである。 それぞれが互いの動きに連携して妨害困難な縦パスへのルートを作成する。

後半11分、一列落ちてきたベジェリンが、 ラカゼットがワイドに開いてSBを釣り出し SBとCBの間に門が開いたところに走り込んだラムジーへの縦パスを送る。 ラムジーは左サイドからカットインしてきたオーバメヤンにボールを流し、 オーバメヤンがスーパーシュート叩き込む。

2-2に追いつかれたトッテナムは最終ラインを強固にする目的からかダイアーを一列下げる。 結果的にこれが裏目にでることになる。 中央でのプレッシャーが弱まり、躍動し始めたのはトレイラである。 積極的にボールを受けて、これまでの縦に速い展開以外に、 遅攻を織り交ぜながらゲームを支配する。 逆にトッテナムは前線のユニット4枚のプレー強度が低下し、 これまでのロングフィードからの攻撃では相手DFを攻略することが困難な状況に。 さらに、前線の疲労からアーセナルDFはフリーな状態でボールを回せる機会が増え、 アーセナル支配のゲーム展開に拍車をかけることになる。

その後は、相手のビルドアップに対し変わらない強度でプレッシャーをかけ続けた アーセナルがフォイトからボールを奪い、ショートカウンターにより得点。

その3分後、相手陣内に押し込みDFラインの連携を崩して裏に抜け出したトレイラが得点を重ね、 4-2で試合終了。

感想まとめ

まずはトレイラがやばい。 あのレベルのハイプレッシングで穴を作らないようにDMFで暗躍を続けたかと思えば、 最後に出てきて決定的な仕事するって、かっこよすぎる。 ボールタッチも美しいし、最高のプレイヤーだと感じた。

トッテナムの前線4枚も狂ってるし、オバメもラカゼットも狂ってる。 あんなもん止めれるか!

ファイナルサード攻略時にアーセナルは長めのパス、 トッテナムは短めのパスを選択してたのが対比的には面白かった。 アーセナルは裏パスへの意欲がすごい高くて、 トッテナムはハーフスペースからドリブル攻略を狙っていたのかな?

DFに関してはデュエルの観点だとあんまり負けていない気もするんだけど、 駆け引きで負けている印象。 1vs1で攻撃側勝ってたのはソン・フンミンくらい? そもそもハイプレッシングを行なっていたら、最終ラインまで相手が迫ってきた時に まともなデュエルの形を作ることが難しいと思うけど。

緊張感がなかなか解けない見応えのある好ゲームだった。